敵対者のススメ・前編
西遊記に登場する竜の中には、およそ竜とは名乗れないんじゃないのという
類いの者がいて、その中でもこと群を抜いた異形といえば
それはダケツであると思ってるんですよ。
ダケツが登場する件は終始、具体的で既視感に満ちており
こいつはきっとどこぞの悪竜に違いないと薮睨みの結果、
「ダケツ=リヴァイアサン」という仮説をもにょもにょ。
リヴァイアサンといえば七つの大罪「嫉妬」の悪魔として知られる"敵対者"
また、旧約聖書には怪物が「真っぷたつにされる」という件があり
これらが河や海に関わるのはもちろん、古代イスラエル人の間には蛇信仰があった。
リヴァイアサンの信仰と敵対という二面性は
ダケツの出生と登場で上手に調理されたのではないだろうか。
大乗仏教を主体とした西遊記に、ダケツのような妖怪が登場しても不思議ではない
…という俺の妄想が加速。
西遊記には、講釈を聴く人々の鬱憤を晴らすために脚色された部分があり
その要素は現代にまで引き継がれ、さまざまなジャンルで描かれているが
西遊記は孫悟空ありき!
じゃあ孫悟空が活躍するならば、西遊記でなくても良いかといえば
敵キャラもまた好きなんでやっぱりちょっと無しで。
しかしキャラクタとその背景を検証しつつ、パロディやデフォルメしながら
悟空以外のキャラクタの活躍も、盛っていけたらいいな〜なんて思うワケですよ。