西梁女国の影 2
女蠍怪てのもまた適当な当て字で、自分向けのメモみたいな感ががが
でもウチのサソリ精はこれでいいかな
できれば呼び名も無く消滅してく、それこそ影のような雰囲気で。
消滅…いや、「忘れられてく」と表現したい
マリーローランサンの詩のような哀しい女に。
ふとした時、思い出に棲む情人の影が射す…
こいつが意外と堪えるもんで、若い盛りにゃ苦悩したもんです
女子方からそんな思いをした話を聞いた事は無いが
男衆の間ではそういう話が割とあるんですよ
このサソリ精は、そういった思い出の怪物だ。
もごもご描いてみてだいぶ雰囲気は掴めてきたっぽい
目も鼻も耳もいらない、唇だけでいい。
目は口ほどにモノを言う由、唇だけなら色も匂わせて相づちもうてよう
また、色気の多くは唇に依るものではないワケで
飽くまでそれはジェンダーのサイン、色気を求めるにしては軽薄だなぁと。
記憶と心に棲む女怪、その正体は未練と後悔だ。
その国自体が幻であったかのような後味の悪さときたら
こいつぁ煩悩すぎるぜ〜