異形
あまりにも脅威すぎて、恐怖から逃れるために祀る
どこの国に於いも、避邪に似た概念は古くからあるそうな
こと、中国ではもっぱらポジティブなイメージが強い「避邪」
かつてその凄まじい武威で人々を苦しめ、また新兵器や兵法などの
開発者でもあった悪神、蚩尤。
黄帝によって滅ぼされても尚、その恐るべき姿は軍旗へ掲げられ、
もの言わぬ兵器としてすら成り立ったとか。
すごく平たく言えば、隈取りや入れ墨なんかも避邪の一種かもしれない。
二朗神。
さまざまな美辞麗句で語られる涼やかな好青年
…に似つかわしくない、三ツ目の異形に長柄刀、はては猛犬までも侍らせて
聞くと見るでは大違い!
好青年のイメージをはるかに凌駕したその、異様。
また、封神計画での活躍と悟空との対峙で、彼の印象はなんか凄い事に
そう、なんか凄い事のように思ってしまうが、
特別な存在である事は確か、伯父の事はおいといても。
取経一行も玄奘にとって避邪であり、
観音曰く「悪に立ち向かうには、別の悪が必要よ♪」みたいな側面もあるが
困難を引き寄せる立場の玄奘に、避邪の意識はないワケで…
話を戻すと、先の昆虫の話で九頭蟲にトドメさした哮天犬、
これは二朗神のキャパシティーだと考える
縁ある得物で、突けど叩けどなかなか敵わなかった九頭蟲が
生体エネルギーのひと噛みでブツリ!
哮天犬を仙術的なアレと捉えず、あくまで二朗神の一面であると。
…続く。