武器と宝具・3
取経一行の中で武器を持つのはいない。
強いて挙げれば、沙悟浄の月牙サン(金ヘンに産)が武器っぽいが
悟空のは物差しで、八戒のは馬鍬、悟浄はスコップという具合。
しかしこれら農具にはそれぞれ"銘"があり、この銘が、
農具に武器としてのアイデンティティを刻んでいる、とか思うワケだ。
武士に於いての武器…というか得物は、見栄そのもの。
得物に銘が入る事は非常に重要で、たとえば一騎打ちなんかでも、
八戒「こいつは太上老君が打ち上げた、誉れ高い大馬鍬
天蓬元帥に握られたりし至宝の得物、上宝遜金把は由緒正しい逸品よ〜」
とか何とか見得をきりつつ、名乗りと共に得物自慢を口上代わりに
バチバチ始めるのが習慣(?)でもあるほど、得物の銘というのは重要。
パロディ要素もままある西遊記、諸々お約束は守っとります。
そんな武士のステータスである銘だけども、
汎用武器を得物としている妖怪も出て来るワケですよ。
銘が無いなら、せめて自分とこだけでも命名したろうと
創作意欲にムチ打ちつつ、アレコレ考えて楽しんでいきたいトコですな〜と
武器の話は一旦おしまい。