四不象・3
偽者との戦いは、個人戦ではない。
対峙した偽者の存在を認めるのが、個人ではなく第三者であるからで
他者の意識によって本物と偽者とは二分されてしまうワケだ。
個と、全体の戦いであるともとれようこの様子は
他者が個にパーソナリティを求める、という図式の体現ではあるまいか。
他所からかき集めた何かを思考し、取捨選択する事で個を形成しながら我々は成長するもの
場面によっては、マンネリズムにとらわれる事態にも出くわすもの。
しかし多くのマンネリズムは、そんな個を飲み込んでしまう怪物にもなりかねず、
個が、自我やパーソナリティを求める時、過去の自分は
"偽者"として目の前に立ちはだかる事があるかもしれない。
悟空が囚われた孤独感…
言葉は偽者たる自分に否定され、行動は偽者たる自身に制される。
制する事ができない思惑へのいらだちは
意思や意識の、移り変わりを表現した偶発的な感情なのかもしれないが、
明確な答えを見出せない事が、より孤独の深淵へと引きずり込んだのではあるまいか。
…単純に『偽者だとォ?! 野郎、鉄棒を喰らえ!引き回して面の皮をはいでやる!』
とかそんなノリで済ませてやるわ〜て気分なのかももも。
つづく。